日本でもっとも利用者が多いと言われるネット掲示板「5ch」には、毎日様々な書き込みが寄せられています。
5chをよく見る方の中には実際に書き込みをおこなった経験がある人もいるのではないでしょうか。
しかし、5chに書き込みをするときには注意が必要です。
仮に自分が投稿した書き込みで他人が不利益を被ったり、名誉棄損と感じたりしたときには訴えられてしまうケースもあります。
そのため、5chでは書き込みをおこなう際に注意喚起を促すメッセージが表示されるわけです。
ここでは、そんな5chへの書き込みで注意するべき「誹謗中傷」などの内容について詳しく解説していきます。
また、誹謗中傷と批判や非難はどう違うのか?という部分に関しても説明していますので、どうぞ参考にしていってください。
5chは匿名性の高いネット掲示板なので、基本的には誰が書き込みをおこなったか分からないようになっています。
しかし、あまりにも悪質な誹謗中傷に関しては5chやプロバイダーを通して相手を特定することが可能です。
書き込みをした側は内容によって民事・刑事の両方の罪を負うことにもなりますので、投稿するときには十分気を付けなければいけません。
ここでは、そんな5ch内での誹謗中傷に関する情報をまとめました。
5chへ投稿する際には内容に気を付けること!「誹謗中傷」「批判・非難」の違いは?
5chは誰でも気軽に利用できる便利なネット掲示板ですが、その分利用者側にモラルやマナーが求められています。
しかし、実際のスレッドを見てみると他人が見て不快に感じる誹謗中傷コメントが載っていることも珍しくありません。
そして、最近はそういった誹謗中傷を書き込んだ人を相手に裁判を起こすケースが増えてきています。
ひと昔前までは「匿名の掲示板だから何を書いても大丈夫」と思われていた5chですが、今はそういう時代ではないということをまずは理解しておきましょう。
5chでよく見かける誹謗中傷コメントとは?
5chでは書き込みをおこなうときに、以下のような注意画面が表示されます。
特に注目してもらいたいのは、赤文字と赤線の部分です。
犯罪予告や犯罪示唆、誹謗中傷、性的な出会いを目的とした書き込みでないか今一度確認してください。
投稿者は投稿に関して発生する責任が全て投稿者に帰すことを承諾します。
ご覧のように5chでは「誹謗中傷」にあたる書き込みを禁止しています。
また、その際に発生する責任はすべて投稿主が負うといった内容も書かれているので、書き込みをアップロードするときには注意をしなければいけません。
なお、5chでよく見かける誹謗中傷コメントの内容としては以下のようなものが挙げられます。
- 特定芸能人への根拠のない悪口、また犯罪行為を示唆するようなコメント
- 一般人(知人など)への悪口や勝手な悪評、個人情報を晒す行為
- 企業などに対する悪口や勝手な悪評、企業の価値を損ねるような情報の流布
頻繁に5chを見ている人なら、一度はこうした「誹謗中傷の類」に入るコメントを目にしたことがあると思います。
しかし、こうした誹謗中傷コメントは本来書き込むことを禁止されています。
そのため、相手側が不快・不利益を被ったと感じた場合は訴えられることも考えなければいけません。
5chへの書き込み「誹謗中傷」と「批判・非難」の違いについて
5chでは誹謗中傷を含むコメントが禁止されていることが分かりましたが、批判や非難とはどう違うのか?というのも気になるポイントです。
ということで、まずは前提となる条件を見てみましょう。
- 誹謗中傷:根拠のない悪評、相手を故意に貶める発言
- 批判:根拠がある上で自分の意見を相手に発信する行為
- 非難:根拠がある(もしくは曖昧な)状態で、相手に対して意見を押し付ける行為
なお、本来は誹謗と中傷も別の言葉なのですが、ここではまとめて「誹謗中傷」としています。
このように、基本的には「根拠があるかどうか」が論点になってくるようです。
たとえば特定の芸能人に対するコメントで考えてみましょう。
「〇〇(芸能人)は裏で枕営業しまくっているらしいから応援するのなんてやめた方がいい。」
⇒特に根拠がない上、相手側の立場を貶める発言なので誹謗中傷にあたると考えられる
「〇〇(芸能人)は過去に△△(不祥事)を起こしているからテレビに映っていると不快。出演させるな。」
⇒一応の根拠を提示した上で自分の意見を発信しているので批判、もしくは非難にあたると考えられる
どちらも相手に対するネガティブな発言なのですが、一応「誹謗中傷」と「批判・非難」を分けると上記のようになります。
ちなみに実際の5chに書き込まれているコメントで、誹謗中傷にあたりそうなものもピックアップしてみました。
こちらはアイドルグループのスレッドで、特定のメンバーに対して悪評を書き込んでいる人の言動です。
ご覧のように個人名を挙げた上で根拠のない誹謗中傷を繰り返していることが分かります。
なお、「在日~」というフレーズが目立ちますが、これに関する根拠を求められたときの対応がこちらです。
このように、特に根拠がなく本人の主観のみで相手を「在日認定」して誹謗中傷をおこなっているようです。
「在日」というワードが誹謗中傷にあたるかは置いておいても、身勝手な論理で特定芸能人の評判を落とそうとしていることが分かります。
こうしたものが誹謗中傷とみされるわけですが、もちろんこのほかにもたくさんのケースがあります。
恋愛が発覚したアイドルメンバーへの「殺害予告」や、不倫などをおこなった芸能人への「根拠のない別件での悪評」などがその代表例です。
5chだけでなくネット掲示板ではこうした誹謗中傷が後を絶たないのですが、そうした誹謗中傷を受けたことが原因で自殺する方もいます。
ここ数年で有名なのはテラスハウスに出演していた木村花さんの訃報ですが、こうしたケースは有名人だけではありません。
学校でのいじめがエスカレートして、ネット掲示板に実名や家族構成などが晒されることもあるわけです。
こうした誹謗中傷被害を受けている方に知ってもらいたいのは、
- 「匿名掲示板でも相手を特定することができる」
- 「裁判を通して罪を認めさせることができる」
という点です。
そのあたりについて、次に詳しく見ていきましょう。
5chで誹謗中傷を受けた側が取る行動まとめ
ここからは、「仮に5chで誹謗中傷を受けた場合はどうすればいいのか?」という部分を分かりやすく解説していきます。
5chでは誹謗中傷レスの削除依頼が可能
まず、5chでは個人情報などを晒す行為が禁止されています。
そのため、個人名・学校名・勤務先・電話番号・住所などが分かってしまうような情報を載せられたら、削除要請板でコメントの削除を申し出ましょう。
なお、5chへの削除要請には
- 「メールで直接5chに対して訴えかける方法」
- 「削除要請フォームから申請する方法」
の2つがあります。
メールで5chに対して直接訴える方法
件名:削除申し立て
内容:スレッドURL、レス番号、削除理由、理由を根拠付ける資料があれば添付、本人確認のための資料を添付
削除要請フォームから申請する方法
https://qb5.5ch.net/saku2ch/index2.html
削除要請フォームに必要な情報を入力して申請をおこなう。
申請は却下されることもある
上記のどちらの方法に関しても誹謗中傷や勝手な個人情報の掲載があった場合には削除が認められるケースが多いです。
ただし、誹謗中傷にあたる根拠などがない場合は却下されることもあるということを覚えておいてください。
ちなみにどうしても相手側を特定したいときには、5chに対して誹謗中傷をおこなった人物の「IPアドレス開示」を請求することもできます。
つまり、本来は匿名である相手を調べることができるわけです。
5chで誹謗中傷を受けた際には相手を特定できるケースもある
「5chで誹謗中傷を受けた、相手を特定して裁判まで持ち込みたい。」
こういった場合は、以下の手順で相手を特定していきます。
- 5chに対してIPアドレス開示請求をおこなう
- 判明したIPアドレスをもとに発信者が利用しているプロバイダーへ個人情報の開示請求をおこなう
- 開示された内容をもとに裁判を起こす
最近はこうした形で裁判を起こす人も少なくありません。
仮にあなたがいわれのない誹謗中傷で困っているのであれば、裁判で相手に罪を認めさせることも必要です。
ただし、あまりにも被害がひどい場合や、情報が色々なサイトに拡散されている場合は自分ひとりで手続きをするには時間が足りません。
そういったケースにおいては、やはり弁護士に頼るのが一番と言えます。
あまりにも誹謗中傷がひどいときは弁護士に相談
個人の住所や家族、勤務先などが特定されて困っている場合や、5chだけでなくまとめブログなどにも誹謗中傷が拡散されている場合にはもはや個人で対応することが不可能です。
そういったケースにおいては、ネット犯罪に詳しい弁護士に相談することをおすすめします。
最近はネット上での誹謗中傷に特化した弁護士も増えてきたと言われていますので、問題を早く解決したいのであればぜひ依頼してみてください。
ちなみに弁護士へ依頼した場合は費用が掛かりますが、この費用は誹謗中傷をおこなった相手側に請求することもできます。
そのため、お金がなくて訴えを起こせないという方は一度弁護士まで相談してみましょう。
被害の内容から考えて裁判費用や弁護士費用、慰謝料などがどれくらい発生するのかを教えてくれます。
正直、5ch上での誹謗中傷をひとりで止めるのは現実的に難しいので、困っているならすぐ弁護士に依頼するという流れがベストだと思います。
5chに誹謗中傷を書き込んでしまった側が取る行動まとめ
ここからは5chに誹謗中傷にあたりそうなコメントを書き込んでしまった側が取る行動をまとめました。
気になる場合は5chへ該当レスの削除要請をする
誹謗中傷コメントがスレッド上に残っていて「あとから訴えられるのでは?」とビクビクしている方は、とにかくまず該当レスの削除要請をしてください。
もちろんレスを削除したとしてもログは残るので、相手側がしっかりと調査に乗り出したら自分のことを特定されてしまいます。
ただし、削除要請を出して反省していることが認められれば、裁判になったときの心証が変わってきます。
そのためにも自ら削除要請は出しておいた方が良いと言えるわけです。
5chに誹謗中傷を書き込み訴えられる可能性について
5chに誹謗中傷を書き込んでしまった人が訴えられる可能性はゼロではありません。
複数人がひとりに対して誹謗中傷を書き込んだ場合は、その複数人がまとめて検挙されるケースもあります。
もちろん書き込んだ内容によって訴えられる可能性、敗訴となる可能性は変わってきますが、犯罪を示唆するような書き込みであれば弁護士ではなく警察が動くこともあり得るわけです。
そのため、5chに書き込みをするときは最大限の注意を払わなければいけません。
すでに書き込みをしてしまった人は、とにかくコメントの削除要請を出し、相手に対して謝罪の意を伝えるようにしましょう。
総括
5chでの誹謗中傷に関連した話題をまとめてきました。
5chに書き込んだコメントが原因で裁判沙汰になることは少なくありませんので、誹謗中傷にあたるような書き込みは控えるようにしましょう。
ちなみに「5chは匿名の掲示板だから何を書いても大丈夫」という時代はもう終わったと言えます。
利用者にはモラルやマナーが求められていますので、ぜひそのあたりを理解しながら5chを使ってください。