みなさんこんにちは、管理人のけいすけです。
今日はTwitterのまとめサイト「Togetter(トゥギャッター)」について調べてみました。
Togetterへの興味がどんどん高まっていき、調べてみることにしました。
見やすいレイアウトに使いやすい作成ツールと、ただのまとめサイトというくくりに収まらない、只者ではない感じが凄いですね。
Togetterを生み出した運営者ともども掘り下げていくと、その正体が分かりそうです。ぜひ最後まで読んでみてください。
Togetterってどんなサイト?
TogetterはTwitterに投稿されたツイートを抜き出し、並び替えたりして公開することができるサイトです。
Togetterは「キュレーションサイト」に分類されます。
他のサイトの記事や情報をまとめたものを人に読ませたり、場合によってはその記事で収益を得たりします。
言い方が違うだけで要は「まとめ」です。
キュレーションサイトというのは、主に運営している企業などがイメージをマイルドにするために使う、気取った言い方です。
また、Togetterはキュレーションサイトの中でも「CGMサイト」に細分されます。
CGMとはConsumer Generated Media(コンシューマー・ジェネレイティッド・メディア)の略称で、生産消費者(消費者ながら生産者の活動もするようになった者)によって制作・提供されるメディア・コンテンツを指します。
ネット以前のメディアは新聞・テレビ・ラジオなど、記事や番組を作る生産者と、それを視聴する消費者が明確に分かれていました。
ネットが普及するにつれ、情報を発信する生産者とその情報を得る消費者の垣根が曖昧になっていることは、誰もが肌身に感じているのではないでしょうか。
Togetterは、サイト内のまとめ記事の作成・編集は、基本的に一般ユーザーが趣味的に行っていることが多く、つまりは「消費生産者」が主役の「GCMサイト」と言えます。
Togetterはそんなキュレーションサイト・GCMサイトの中でも、生産者側の使いやすさから一気に人気を獲得していったサイトです。
Togetterの特徴
Togetterは、Twitterで公開されているツイートをドラッグアンドドロップで選び、1画面にまとめて表示させるのが基本機能です。
また、文字の色を替える、ツイートの順序は時系列以外の並び替えを行えるなど、ツイートを元にしつつも編集を加えてまとめ記事化することができます。
これにより、
- 面白いツイートを抜粋する
- イベントやテレビ番組などの実況を抜き出す
- 論争において各人の立場をわかりやすくまとめる
など、様々な用途のまとめ記事を作成できます。
まとめ記事の生産者にとっての使いやすさと、消費者にとっての見やすさが両立されているのも人気になった大きな要因となっています。
Togetterでの著作権の扱い
本来、Twitterに投稿されたツイートを投稿者の同意なしに「引用」「まとめ」として使うことは盗用にあたり、違法となります。
しかし、Togetterの運営者はTwitter社からTwitterに投稿されたツイートの利用許諾を得ており、Twitterには「Twitterに投稿した人はそのコンテンツの利用をTwitter社に無償で許諾したものとみなす」という「Twitterサービス利用規約」があります。
Twitter社から許諾を得ているTogetterのサービス上においては、Togetterを使うユーザーにも玉突き的にこの免責事項が適用され、Togetter内に限ってはTwitterのツイートを合法的に引用してまとめることが出来るのです。
ただし、ツイートの著作権はツイートを行った投稿者の物であり、まとめた人が著作権を主張することは出来ません。
また、まとめのコメントなど「まとめ」自体の著作権はTogetterの運営者に譲渡するという事項がTogetter側の利用規約に明記されている為、まとめの作成者やコメント者が著作者人格権を行使することもできません。
Twitterはもとより、Togetterもネットで収益を上げる企業であり、権利関係はしっかり彼らが持っていくような仕組みを作り上げているのです。
Togetterの運営者は誰?
それでは、そんなTogetterの運営者について紐解いていきましょう。
Togetterの運営者は開発者が営む会社
Togetterの運営者は、Togetterを開発した吉田俊明氏が代表を務めるトゥギャッター株式会社です。
開発者が運営する企業まで立ち上げているんですね。
吉田氏はITイベントの様子を報告するため、イベントについてのTwitterのツイートをプレゼン資料に活用しようと考え、ドラッグ・アンド・ドロップでつぶやきを抜き出して一覧表示できるツール作りを思い立ったと言います。
Togetterとヤフー・孫正義との繋がり
吉田氏は2009年9月にTogetterを開発、その当時の吉田氏はヤフーに在籍していました。
また、2010年3月にはソフトバンクのイベントで孫正義氏がTogetterを利用したプレゼンテーションを行っています。
このようにTogetter・吉田氏と、ヤフー・孫氏には浅からぬ繋がりがありました。
吉田氏はその後、Basculeへの就職を経て、2010年6月にトゥギャッター株式会社を設立しています。
Togetterが東日本大震災で活躍
2011年3月に発生した東日本大震災において、Togetterのまとめが情報共有に大きな力を発揮しました。
Twitterは情報が散漫で、個人が発する・拡散するネタやデマも多いため、そのままではニュースソースとして不十分な性能に留まっています。
- 海外の写真を使って動物園の動物が逃げた
- 怪しげな男たちが家々を訪問している
- 外国人を揶揄する
と言った悪質なデマも見られました。
こうした状況の中で、Togetter上で有志によるツイートの情報整理が行われ、それが拡散されることによって、多くの閲覧ユーザーにある程度の信頼性を持つまとまった情報が届けられるようになりました。
特に、NHK広報(@NHK_PR)による自社発信の情報と、担当者個人による励ましのコメントが混在するツイートに多くの人が感動をしたという事例があります。
他に「うんち・おならで例える原発解説」「被災地で救助活動を続けるある公務員のつぶやき」など震災絡みのまとめが注目されました。
震災については、Togetterが大きな社会貢献を果たした事例であり、サービス開始から間もなかったTogetterが躍進したきっかけにもなっている為か、トゥギャッター株式会社としても大々的にアピールしています。
トゥギャッター株式会社の評判
トゥギャッター株式会社の評判は、就職・転職サイトの口コミの他、現社員・元社員も入退社を個人ブログで公表するなど、ネット上の情報が充実しています。
そこら辺はやはりWeb系企業といったところでしょうか。
具体的な社風に関する言及は少ないものの、
- インセンティブ制度(PVを延ばすなどの成果に対する報酬)
- リモートワークが可能
など、旧態依然とした日本型企業とは一線を画す先進的な経営方針が垣間見えます。
また、トゥギャッター株式会社がサービスの周年記念にアニメ絵のイラストケーキでお祝いしました、というケーキ通販会社の事例なんかも見られました。
Togetterの使い方
Togetterの読み方や、実際に発信側としてTogetterを使う手順はどうなっているかを調べました。
ログインと複アカ
Togetterへのログインは、Twitterアカウントを流用します。
「Togetter – トゥギャッターによるアクセスを許可しますか?」に了承することでログインします。
また、場合によっては日常的に使用するTwitterアカウントと、Togetterへの投稿用アカウントを分けたいというニーズもあるかもしれません。
ヤフー知恵袋の古い記事では「TwitterとTogetterと使うブラウザを分ける」といったアンサーもありますが、現在のTwitterは標準で複数アカウントを切り替えられる仕様になってますので、それを活用する方法もあります。
編集はドラッグ&ドロップ
Togetterの編集画面では、画面左側にTwitterの画面がほぼそのまま表示され、タイムラインや検索結果が表示されています。
その中から目的のツイートを画面右側にドラッグ&ドロップするだけでまとめを作ることができます。
表示順の入替もドラッグで行います。
文字の大きさや色などを装飾することもでき、最後にまとめの
- 「タイトル」
- 「コメント」
- 「カテゴリー・タグ」
などを入力して公開します。
人気キュレーターの存在も
投稿者はTwitterアカウント名のほか、PV・お気に入り数・はてなブックマーク数などが紐づけされ、投稿者の中にも人気度が高い者が存在します。
彼らはキュレーションを作る者・「キュレーター」と呼ばれるようです。
有益だったり速報性が高い、多くの人に支持されるまとめを多く制作していくと、人気キュレーターになっていくようです。
所詮は個人が作るまとめ
ここからは投稿者・読み手それぞれに共通する事柄ですが、Togetterは有益な情報が得られるツールである反面、所詮は個人が作るまとめ記事に過ぎないという心構えも必要です。
Togetterの性質上、まとめる際には基本的にあらゆるツイートを持ってくることが出来る上、元になるスレッドなどがあるわけでもありません。
タイトル・コメント・タグ付けなどに投稿者の意図を挟むことも可能で、煽り立てるようなタイトルと内容に仕立て上げることは、2chなどのスレッドをまとめること以上に簡単と見ることもできます。
本来は中立の立場から複数の意見をまとめるのがあるべき姿ですが、投稿者の意向で対立意見をすべて省いてしまうような恣意的なまとめも作成可能です。
ネットでは偏った意見を発信するマスコミを揶揄して「マスゴミ」と呼びますが、そのマスゴミと全く同じ事を行っている個人「工作員」がTogetterにも少なからず存在しているという可能性には警戒すべきでしょう。
私怨の晒しまとめも
また、Twitter上での人間関係などから、私怨で特定の個人を晒し上げにする目的のまとめも存在します。
ツイートは基本的に全世界に公開されるものであり、メディアの特性として返信やリツイートなどを甘んじて受けることは、ツイート投稿時点で了承したものとみなされます。
一時期、一部のTwitterユーザーから、
- フォローをしていないユーザーへの返信を「FF(フォロー・フォロワー)外から失礼します」と断りを入れて行う
- リツイートは勝手にしない
などのマナーが提唱されました。
しかし、これらは世界標準のTwitter本来の使い方から逸脱したローカルルールであり、「お前の方が出ていけ」としか言えない提案です。
Twitterから許諾を受けているTogetterも、規約上はツイートを投稿した時点で誰がツイートをまとめようと自由ということになっています。
ただし、ここでの権利とはあくまで使用権の話であり、特定の個人を攻撃したり侮辱したりする行為はまた別の罪に問われるという点は勘違いしてはいけません。
まとめ
TwitterのまとめサイトTogetterの特徴と運営者について調べてみました。
Togetterは開発のきっかけがプレゼンテーション用のツールであり、有能なIT技術者によって開発された経緯から作りやすく読みやすいツールとなっています。
それは多くの人に受け入れられ、大変な人気を持つ一大まとめサイト群となりました。
しかし、使いやすく自由度が高い反面、質が低かったり悪意のあるまとめも多く、インターネットの基本とも言える「読み手の力」が問われるツールでもあります。
Togetterやインターネットをうまく使える人になりたいですね。