ガールズちゃんねるとは女性向けネット掲示板のことです。
国内のネット掲示板としては5chや2ch、爆サイといったサイトに並び知名度が高く、多くの女性ユーザーがいるとされています。
そんなガールズちゃんねるでは度々「個人を特定した誹謗中傷」や「無許可で他人の名前や住所を晒す行為」が見かけられます。
こうした悪質な書き込みや行為に対しては、発信者情報開示請求をおこない、相手を特定した上で裁判を起こすケースも珍しくありません。
そこで、ここではガールズちゃんねるに「もしも自分の名前が書き込まれたり、誹謗中傷をされたりしたときはどうすればいいのか?」という疑問に対して「発信者情報開示請求」という対処法をご紹介していきたいと思います。

誰にでも、ある日突然自分の名前をネット掲示板に晒されるリスクというのはあります。
特に最近では新型コロナウイルスの影響によって、感染者個人をネット上で特定して晒すという行為が頻発していますので、自分が罹っていなくても誤情報として晒し上げられる可能性というのは十分にあるわけです。
そこで、この記事では仮にガールズちゃんねるに自身への誹謗中傷を書き込まれた際にどうやって対処をしていけばいいのかを分かりやすく解説しています。
自身の名前やプライバシー情報を勝手にネット上へアップされたという方は、ぜひこちらの内容を最後までご覧になっていってください。
ガールズちゃんねると発信者情報開示請求について
ガールズちゃんねるというのは美容やファッション、芸能ニュースや時事ネタを取り扱うネット掲示板です。
特徴としては女性向けの内容が多いという点が挙げられますが、ほかにもいくつか他のネット掲示板と異なる点がありますので、まずはそちらを見ていきましょう。

ガールズちゃんねるとは女性向けネット掲示板
ガールズちゃんねるは女性向けのネット掲示板であり、誰もが匿名で利用することが可能です。
ガールズちゃんねるが5chや2chと異なる点は、コメントに対して閲覧者が評価をおこなえる点です。
プラスとマイナスの評価があり、どちらの評価が多いのか一目で分かるというのがガールズちゃんねるの大きな特徴となっています。
ちなみにこの評価をする際にもサイト登録は必要ありません。
そのため、自分が同意できるコメントにはプラス、そうではないコメントにはマイナスといった評価が簡単に出来るようになっているわけです。

しかし、こうしたオープンなネット掲示板では度々「誹謗中傷」をおこなう「荒らし」と呼ばれるネットユーザーが出現します。
また、荒らしの中には個人を特定した上で過激な悪口を連続して書き込む人や、個人のプライバシー情報を流出させる人などもいます。
こうした行為はガールズちゃんねるのみならず、どのネット掲示板でも禁止となっているわけですが、それでもこうした悪質な行為というのはなくなることがありません。
もしも仮に自分の名前がネット上にアップされ、さらに事実無根の話を付け加えられて拡散されたとしたら非常に怖いですよね。
そういった悪質な行為をされたときの対処法のひとつが「発信者情報開示請求」というものなのです。
ということで、次に発信者情報開示請求について説明をおこなっていきましょう。
発信者情報開示請求とは投稿者を特定するための手続き
発信者情報開示請求というのは、ネット掲示板やプロバイダに対して、悪質な書き込みをした人物の情報を要求する行為のことです。
なお、発信者情報開示請求には任意で求めるケースと裁判所を通しておこなうケースの2つがあります。
ちなみに任意というのは、簡単に言えば情報を求める相手会社に対して個人的にお願いすることです。
しかし、この任意の情報開示請求というのはあまり受け入れられることがありません。

そこで裁判所を通して情報の開示を求める訴訟、もしくは仮処分の申し立てをおこなうことが必要となるわけです。
近年におけるネット上でのトラブルでは、だいたい裁判所を通して発信者情報の開示請求がおこわれています。
そして、相手が特定できたらその人物に対して訴訟を起こすという流れになっていくのですが、そもそもどういった書き込みであれば「発信者情報開示請求」が認められるのかというのも気になる点ですよね。
ということで、次にガールズちゃんねるで禁止されている書き込み内容について見ていきたいと思います。
ガールズちゃんねるで発信者情報開示請求の対象となるような書き込みについて
ガールズちゃんねるではユーザーに対して厳格な利用規約を設けています。
参考:ガールズちゃんねる利用規約
https://girlschannel.net/agreement.html
利用規約は第1条から第18条までありますが、その中にはこういった条項も含まれていますのでご覧ください。
第5条 個人情報の取り扱い
3.以下の場合は、第三者による個人情報の取得に関し、本サイトは何らの責任を負いません。
・ユーザー本人が本サイトの機能または別の手段を用いて第三者に個人情報を明らかにした場合
簡単に言えば、個人情報の取り扱いはユーザーに任せ、ガールズちゃんねるでは責任を負わないということですね。
ただし第8条にはこういった規約も書かれています。
第8条 ユーザーの責任
3.ユーザーが他人の名誉を毀損した場合、プライバシー権を侵害した場合、許諾なく第三者の個人情報を開示した場合、著作権法(昭和45年法律第48号)に違反する行為を行った場合その他他人の権利を侵害した場合には、当該ユーザーは自身の責任と費用において解決しなければならず、本サイトは一切の責任を負いません。
要約すると「個人情報を勝手に晒し、訴えられた場合は自己責任で解決をしてください」といったイメージです。
こうした規約が盛り込まれているわけですが、まとめると以下のような行為が発信者情報開示請求の対象となると考えられます。
- 自分および第三者の名前・住所・メールアドレス・電話番号をアップする行為
- 第三者の財産や肖像権、プライバシーを侵害する行為
- 犯罪をほのめかす書き込みやそれに類似する内容の書き込み、またそれを助長するような行為
これらの書き込みはすべてガールズちゃんねる上での規約違反となりますので、自身がこれらに該当する嫌がらせを受けた場合はガールズちゃんねるに対して発信者に関する情報開示を求めることが出来ます。
ということで、実際に発信者情報開示請求から裁判までの流れというのを見ていきましょう。
ガールズちゃんねるへの発信者情報開示請求の仕方と流れ
ガールズちゃんねるに自分の名前やプライバシー情報を勝手に掲載された、もしくは自身に対して危害を加えることを示唆するような内容の文章があった場合は、発信者情報開示請求からの訴訟という流れをおこなうことになります。
なお、その際のステップは以下の3つです。
- ガールズちゃんねるに対してIPアドレスの開示請求をおこなう
- プロバイダへ発信者情報開示請求をおこなう
- 特定した相手に対して訴訟を起こす
この3つの段階を経ることで、相手を特定し慰謝料や損害賠償を請求出来るようになります。
次に各ステップの詳しい内容を説明していきましょう。
①ガールズちゃんねるに対してIPアドレスの開示請求をおこなう
ガールズちゃんねるは2012年から運営されている掲示板サイトで、「株式会社ジェイスクエアード」というところが運営会社となっています。
そのため、まずはこの株式会社ジェイスクエアードに対して、悪質な書き込みをおこなったユーザーの「IPアドレスの開示」を求めます。
なお、会社の情報は以下の通りです。
- 会社名:株式会社ジェイスクエアード
- 代表者:代表取締役 大宮光晶
- 所在地:〒100-000東京都千代田区丸の内1丁目8番3号丸の内トラストタワー本館20階
- 事業内容:インターネットメディアの企画運営など
こちらの会社に対して発信者情報の開示を要求するわけですが、その際にはいくつか用意しなければいけないものがあります。
- 本人確認書類(運転免許証のコピーなど)
- 印鑑証明
- IPアドレス開示請求書
- 開示請求をする原因となった書き込みの写し(スクリーンショットをプリントアウトしたものなど)
- 返信用封筒
まずは最低限として、上記の提出書類を用意しましょう。
あとは任意での開示請求を求めるために書類を郵送します。

この際、提出するIPアドレス開示請求書には以下のような内容を書いてください。
- IPアドレスを開示するに至った経緯
- 開示請求をおこなう根拠と理由
- 該当コメントユーザーがどういった違反に抵触しているのかについて
正当な理由がある場合、これらを記載した上で書類を提出すれば開示請求に応じてくれることが大半です。
しかし、場合によっては判断が難しく任意での開示を認めてくれないこともあります。
そのときには裁判所を通して開示請求についての仮処分申し立てをおこないます。
この時点では訴訟までにはいっていませんが、裁判所を通すことによってガールズちゃんねる運営者側が請求に応じてくれるようになるわけです。
そして、相手のIPアドレスが分かったら次にプロバイダに対して「発信者情報開示請求」をおこなっていきます。
②プロバイダへ発信者情報開示請求をおこなう
IPアドレスが分かると、相手の個人情報を特定することが出来ます。
そして、それにはプロバイダに対して「そのIPアドレスの所有者は誰なのか?」ということを聞かなければなりません。
簡単に言うとこの手続きが「発信者情報開示請求」です。
なお、プロバイダへの情報開示請求にも任意のものと裁判所を通したものの2パターンがありますが、IPアドレスから個人を特定する作業は非常にセンシティブな問題のため、ほとんど任意では通らないと言われています。
そのため、一般的にはこの時点で裁判を起こすケースが大半です。
裁判所に情報開示の理由が認められれば、プロバイダに対して強制的に情報を渡すよう訴えることが出来ます。
その結果、自身に対して悪質な書き込みをした人間が誰なのかがハッキリと分かるようになるわけですね。
あとはこの相手に対して訴訟を起こすだけです。
③特定した相手に対して訴訟を起こす
訴訟する場合、どういった内容により相手を訴訟するかは人それぞれです。
名誉棄損による慰謝料の請求なのか、それとも風評被害による損害賠償請求なのか、これは弁護士などと相談して決めることになると思います。
とは言え、この段階まで来たらほとんどの場合は裁判で勝つことになります。
そもそもプロバイダに対して個人の情報を受け渡すよう裁判所が命じた時点で、悪質な行為があったことは認められているわけですから、被害者が裁判で負けるケースというのはあまり考えられません。
あるとすれば請求した金額よりも慰謝料や賠償金が引き下げられることくらいだと言えます。
なお、ここまでの流れをおこなうためには、必ず「被害を受けた証拠」を残しておかなければいけません。
ということで、最後に発信者情報開示請求をする際に注意しておくべき点について説明しておきたいと思います。
ガールズちゃんねるへ発信者情報開示請求をするときの注意点
発信者情報開示請求をおこなう権利というのは誰にでもあります。
ただし、情報の開示を求める際には必ずその請求に対して根拠となる証拠が必要です。
そのため、誹謗中傷・個人名の晒し上げといった行為をされたときには「画像」を保存しておいてください。
また、本来であればその書き込みのログも保存をしておきたいところなのですが、このログ保存というのは警察や弁護士がおこなう範疇となります。
こうしたことを考えると、個人で訴えを起こすよりも早急に弁護士へ依頼した方が楽と言えるでしょう。

なお、書き込みのログは時間と共に消える可能性があります。
これに関してはガールズちゃんねる側も保存をしておく義務がありません。
そのため、早めにログを抑えておくという意味でも弁護士や警察に相談することは大事なのです。
ちなみに書き込みのログが残っている期間というのは、一般的に1ヶ月~3ヵ月程度と言われています。
これを踏まえると、悪質な書き込みを見つけたら1ヶ月以内にはIPアドレスの開示請求をおこなった方が良いということが言えるわけです。
ネット上のトラブルを解決するには、
- 誹謗中傷、個人名などプライバシー情報を晒されたらすぐに弁護士・警察に相談
- コメントの画像を保存しておく
- すべての行動はなるべく1ヶ月以内におこなう
上記3点が重要とされていますので、ぜひ頭の中に入れておいてください。
総括
女性向けネット掲示板「ガールズちゃんねる」で誹謗中傷を受けた際の対処法として「発信者情報開示請求」というものをご紹介してきました。
ご覧いただいたように、ネット上でのトラブルを早期解決したいのであればとにかく迅速な対応が必要です。
ぜひ、この記事の流れを参考にしていただき、必要であれば弁護士や警察に相談してもらえればと思います。