こんにちは、管理人のけいすけです。
今回は「ママスタ」という掲示板サイトについて調べてみました。
ママスタとは、名前の通り子育て中のママさんたちが利用する掲示板です。
ママスタはターゲットを子育て中のママに絞っていて、閉じたコミュニティを形成しています。
しかし、投稿は広く公開されていて誰でも読むことができます。
ママスタの運営者について掘り下げていくと、子育て中のママさんを含めた若い女性をターゲットにしている企業の戦略も見えてきます。ぜひ読んでみてください。
ママスタってどんなサイト?
ママスタは正式名称を「ママスタジアム」と言い、子育ての相談や息抜きトークを目的とした女性向けのコミュニティサイトです。
正式な開設時期は確認できず、現在の運営者がサイトを譲受したのが2007年10月としていますので、そこから数えても十数年の歴史を持ちます。
ママスタの特徴
メインコンテンツはBBSで、カテゴリーは「テーマ別」と「ママ別」に分かれています。
- なんでも
- 相談
- ニュース全般
- TV・エンタメ
- 芸能人・有名人
- ファッション・ビューティー
- 病気・健康
- 趣味・遊び
- 友募・馴れ合い
- 旦那・家族
- 料理・家事
- ダイエット
- 下話
- 妊娠・出産
- 不妊
- 乳児・幼児
- 小学生
- 中学生以上
- シンママ
- 働くママ
乳幼児については更に月齢・年齢別に詳細カテゴリーに分けて悩み相談を受け付けているようです。
カテゴリーの中にある「馴れ合い」という言葉は多少のネガティブな意味合いを持っています。
これが5ちゃんねるのカテゴリー名であれば皮肉も効いていると見えるのですが、ママスタでもネットの慣例そのままに採用されています。
悩み相談はもちろんですが、女性が好む芸能ゴシップなども活発に投稿されているカテゴリーの一つです。
ママスタのメインコンテンツはBBSですが、
- 運営側からの情報提供コーナー
- コラム
- 保活・レビュー
- BBSよりも内容を絞った情報交換のコーナー
などが設けられていることも特徴です。
ママスタセレクト
ママスタセレクトは、運営者側が編集作業を行っている漫画コラム・専門家コラム記事です。
ママスタセレクトでは、
- 夫・子供・義実家・ママ友・学校などの人間関係の話題
- 家計やレシピなど家事に関するもの
などが取り上げられています。
漫画コラムにはレディースコミック風のイラストや、Twitterなどで流行している主張漫画の雰囲気が漂います。
専門家コラムのサムネイルにはフリー素材から拝借したものと思われるイメージ写真が使われています。
ママスタコラム
運営者側が編集作業を行っている有名人のコラム・エッセイ記事です。
執筆者はイクメンYouTuberの側面を持つSEIKINをはじめ、
- りゅうちぇる
- つるの剛士
- 中尾明慶
- ユージ
などイクメン芸能人として地位を確立している面々や、
- ギャル曽根
- 益若つばさ
など若いママさんからの支持が厚い女性芸能人、そのほか、
- 神田うの
- くわばたりえ
- 今井絵理子
などファンもアンチもどちらも活発なタレントなどが居ます。
珍しいところでは、ゲイの実業家IKKOや、教育評論家の尾木直樹などの専門家も。
コラムとはいうもののインタビュー形式の記事が多く、本人が直接執筆している文章の方が少数派になっています。
保活・レビュー
保育園を探す「保活」を応援するデータベースや、産婦人科・小児科・保育園・幼稚園などの施設一つ一つにレビューを投稿・閲覧できる「レビュー」というコンテンツも用意されています。
病院や園の評価・評判が蓄積されればママさんにとって有益なデータベースになりそうですが、東京都内の施設でさえ投稿数はあまり多くなく、現状では実用性に欠けると言わざるを得ないでしょう。
読み物としても見応えはありません。
ニュース
モデルプレス・サイゾーウーマンからの引用によるエンタメニュースと、自前の「ママスタセレクト」で配信しているマンガコラムを一覧にしたニュースコーナーです。
運営が意図的に「楽しいニュース」のみをピックアップしていますが、BBSのニュースカテゴリーでは傷害事件や政治・外交問題などの「お堅いニュース」の議論も活発に行われています。
アンケート
わざわざワンコーナーを設けてアンケートの募集と発表を行っています。
一部のアンケート結果はママスタセレクトで記事化されるほか、ママさんの「生の意見」として方々で利用されているものと思われます。
ママスタの投稿者と使われ方
ママスタの利用者層は言わずもがな子供を持つママさんたちですが、子供の年齢は乳幼児から小学生・中学生までかなり幅広いものになっています。
小さい子供の育児の悩みから、部活を始めた子供のサポートが大変など、ママさんの悩みも子供の成長に合わせて変化していくようです。
人気ランキング上位は生活の相談
ママスタがサイト内に掲示している人気ランキングに上がる投稿は、やはり日常生活の相談事が多くなっています。
- 専業主婦への質問
- お弁当のおかずの相談
- 近所の人の行動への愚痴
- 学校の対応に対する不満
などが主です。
珍しいところでは、「チラ裏(チラシの裏にでも書いてろ)」を表題にした雑談トピックや、「なぜ虫を気持ち悪いと思ってしまうのか」という哲学的な投稿が伸びていたりもします。
半面、投稿数・閲覧数が共に多く見えるエンタメ系やエロ系のカテゴリーはランキングに上がってきておらず、ここに掲載しているものは運営側がカテゴリーごと選別しているのではないかと推測されます。
ママスタ 事件
「ママスタ」で検索を行うと、検索上位ワードに「ママスタ 事件」が入ってきます。
ママスタが何かトラブルを起こしたわけではなく、様々な事件についての議論がママスタBBS内で一定の盛り上がりを見せているため、上記キーワードが上がってくるようです。
「ママスタ 事件」で検索すると「忘れられない事件」というトピックが検索結果の上位にヒットしてきます。
内容としてはWikipediaや5ちゃんねるでも人気がある不可解な事件・未解決事件に関する雑談となっています。
監禁事件や行方不明者など、もはやママさんは関係ないのですが、こういった事件は老若男女を問わず興味を引かれるものがあるのでしょう。
「切ない事件」も多く話題にあがり、
- 理不尽な通り魔事件
- 育児放棄による子供の死亡事件
- 他愛のない用事で外出したら交通事故に遭ってしまった
など、切ない事件を振り返り、犠牲者を悼むトピックも伸びています。
また、教師による児童・生徒への淫行事件はママさんたちにとって身近な問題であり、自衛半分・興味半分で情報交換が行われている様子です。
ママスタ あいのり
「ママスタ」の検索上位ワードには「あいのり」も入っています。
これはフジテレビで1999年10月から2009年3月まで放送された、人気番組『恋愛観察バラエティーあいのり』についての議論です。
類似番組であり放送時期が新しい「テラスハウス」より「あいのり」が優勢であるのは、現役ママさんの青春時代が「あいのり」の放送時期に重なっていることが大きいでしょう。
また、「あいのり」が現実離れした紀行ものであったのに対して、「テラスハウス」は国内のシェアハウスという生々しい独身男女の設定であったことから、ママさんにはいまいち響いていないのではないかと考えられます。
トピック内ではヒデ・桃・クロなどの出演者への感想やその後の経歴などについて語られています。
特に出演者「クロ」については単独で「ママスタ」の検索上位ワードに食い込んでいて、ファン・アンチ双方にとっての注目度の高さが伺えます。
また、出演者「桃」は、番組引退後もタレントやブロガーとして活動しており、若い夫とのキス写真を公開するなど、番組終了から何年も経っている現在でも情報(ネタ)を発信し続けています。
ママスタで「あいのり」が人気なのは、話題に事欠かないという面もあるのでしょう。
下話はママさんたちのエロネタ
ママスタのカテゴリーの中の「下話」はいわゆるエロネタです。
- 夫婦間のセックスの悩み
- 営み中の面白かった出来事
- 夫の身体についての雑難
など、エロネタとはいえ主に夫婦間の話題が多くなっています。
しかし、
- 男性芸能人・スポーツ選手・イケメンAV男優について
- 学校の先生や習い事のコーチに欲情するなど妄想系の話
- 実際にパート先の男性従業員と不倫している
など、夫以外の男が絡む話も多く、ママさんも一人の女なのだと思い知らされます。
一方で、そのように妄想を含んだエロトークをしていても「女に犯されたい願望があると男が勘違いする」と注意をする者が現れ、楽しく下ネタ会話をしたいママさんと秩序を重んじるママさんとで小競り合いが起こることもしばしばです。
また、明らかに男が書き込んでいると思われる、変態そのままの投稿もありますが、その手のものは大抵ママさんたちに見透かされて袋叩きに遭うことになります。
ママスタの運営者は誰?
ここからはママスタの運営者についてご紹介します。
ママスタの運営者は女性向けの商売を色々と展開しており、ママスタもその一貫であるようです。
運営者はアフェリエイトも扱うWeb会社
ママスタの運営者は「株式会社インタースペース」です。
アフェリエイトサービスの中でも比較的有名な「アクセストレード」の他、電話を利用したインターネット広告サービスなどの広告事業を展開しています。
株式会社インタースペースのメディア事業
一方で、株式会社インタースペースはメディア事業も展開しています。
- 主婦向けの「saita PULS」
- 恋活メディア「KOIMEMO」
- ペット情報「mofmo」
- パーソナルジム情報「ベストレ」
- 「ヨガジャーナルオンライン」
- 「派遣サーチ」
と、ラインナップを見ていくと、既婚・未婚を問わず女性をターゲットにした情報メディアが多数を占めます。
ママスタからリンクをはるサービスには、
- 「ヨガジャーナルオンライン」
- 「saita PULS」
- 生理日・排卵日予測【Moon(ムーン)】
- ファッション情報メディアの「4MEEE(フォーミー)」「4yuuu!(フォーユー)」
- 「電話とチャットでウラナッテ」
などが確認できます。
「ママスタ」「ママスタセレクト」も、こういった女性向け戦略の一環にあるものと推察されます。
株式会社インタースペースの評判
就職・転職の口コミサイトから読み取れる株式会社インタースペースの評判としては、真面目・堅実・休みがとりやすい(取りづらい雰囲気はない)というものが目立ちます。
Web系や広告系でありがちな派手さや強引さはあまりなく、どちらかというと大人しめのオタク系の社員が多いという評判です。
オフィスの雰囲気も「別にオシャレというわけでもない」という身も蓋もないコメントがあり、職場をオシャレに飾るIT長者のような雰囲気はないようです。
ママスタなどの国内事業が目立ちますが、社内では海外事業を伸びしろと評価している向きがあり、「海外事業が伸びれば成長の余地があるだろう」と結んでいるコメントも多いです。
これらの情報から、株式会社インタースペースは良くも悪くも業界ズレしていない「普通の会社」という会社像が浮かび上がります。
また、ママスタの運営状況も非常に堅実です。
ちょっとした女性蔑視の雰囲気が見られると途端に炎上するネットにおいて、女性向けサービスを長期的・安定的に運営できている秘訣は、上記をはじめとしたママスタの社風にもあるのではないかと考えられます。
まとめ
ママスタについて調べてきました。
ママスタはママさんにターゲットを絞っている分、「子供を持つ母親」という特定の属性の生の意見が集まるユニークな掲示板になっています。
そういった層に関心や、営業のターゲットがある人にとっては参考になる情報ばかりですし、結婚をしている男性が妻の本音を知るべくママスタを覗くという使い方もあるかもしれません。
ただし、あくまでもこれらの投稿は「ママさん同士」という前提で行われる、リラックスした状態の忌憚なき意見であることに価値があります。
ママさん以外の属性の人間がお邪魔する際は、彼女たちのコミュニティに割り込むようなことなく、こっそり覗きましょう。
また、ママさんの本音にショックを受けたり夢が壊れたりするのも自己責任。女や母の怖さもまた、ママスタの魅力であるからです。