どうもこんにちは、けいすけです。
5chや5chまとめに関わっている人にとって有名なツールに「まとめくす」があります。
5chや5chと同じシステムを使っている掲示板の情報を簡単に収集し、ブログ記事を作成できるツールで、世に溢れる5chまとめサイトの多くが採用しています。
そんなまとめくすには、Twitterのつぶやきを収集できる「まとめくすTwitter」というサブ機能があったのですが、そのまとめくすTwitterが人知れず終了しています。
まとめくすTwitterに限らず
Twitterと連携するサービスの多くが終了しておる
不幸な事故のようなものじゃな
まとめくすTwitter終了については目立ったお知らせがなく、急に使えなくなって困惑している人もいるかもしれません。
今回はまとめくすTwitter終了の概要とその裏事情をまとめていきます。ぜひお読みください。
まとめくすTwitter終了の概要
まとめくすとまとめくすTwitterについての振り返りと、まとめくすTwitter終了の概要を解説していきます。
◇まとめくすとは?
まとめくすはエムティーエム株式会社が提供しているネット上の無料ツールです。
まとめくすを使用すると5chや5chと同じシステムを使っている掲示板のレスを簡単に収集することができます。
さらに、収集したレスを並び替える・文字色や強調を入れるといった編集ができ、その内容をそのままブログにアップロードしてブログ記事を作成できる(アップロード先のブログのとの連携設定は必要)というものです。
5chまとめサイトの増加(乱立)に一役買っているツールで、5chまとめサイトの多くが使用していると言われます。
先ほどまとめくすは無料ツールとしましたが、無料で使える条件として同じ運営元が保有する「まとめくすアンテナ」に完成記事を掲載するという条件があります。
まとめサイト管理者はまとめくすを無料で使える代わりに記事をアンテナに提供し、まとめくすの運営元は集まった情報で色々儲けるという、Win-Winの関係になっているというわけです。
まとめくすの登場で5chまとめサイトが作りやすくなったことは事実ですが、5chまとめサイトがネット上で人気になったり検索上位に入ったりするのは、元ネタである5chのレスが良質で面白い情報だからだいうのは、もちろん言うまでもありません。
◇まとめくすTwitterとは?
まとめくすTwitterは、まとめくすと同じような機能でTwitter上のつぶやきを収集できるツールとして2022年6月27日に登場しました。
Twitterの内容をまとめられるツールとしてはTogetterが有名ですが、こちらについてはまとめ記事はTogetter内での掲載に留まるため、記事作成ツールというよりはSNSに近い存在となっています。
5chは5chで内容が充実しているのですが、Twitterには全世界的な利用者数の規模には勝てず、また5chには居ないような層のつぶやきも収集できるでしょう。
まとめくすとまとめくすTwitterの使い分けで、情報収集が更に捗る未来を誰もが夢見ていました。
しかし、まとめくすTwitterは登場から1年と経たずに終了となってしまいます。
◇まとめくすTwitter終了の顛末と原因
まとめくすTwitterの終了は静かに突然に訪れました。
正確な日時は不明ながら、4月下旬ごろから使用不能になっているという報告が見られます。
ただ、この現象についてはまとめくすTwitterの外側に目を向けると納得の事態でした。
それは、まとめくすTwitterの引用元であるTwitterの動きによるものです。
Twitterは2023年3月30日に、Twitterに連携したり引用したりする為のシステム「API」の有料化を発表し、有料プランに加入しない個人や団体に対して今後の連携サービスを提供しないと発表したのです。
その後、2023年4月から5月にかけて実際の制限が掛けられ、多くのサイトでTwitter連携のサービスが使用不能になりました。
分かりやすい所では、日本国内のローカルなSNSなどでは新規投稿をTwitterに転載して告知する機能を提供していたところが多かったのですが、現在ではこのTwitter連携は多くのSNSから消えているでしょう。
「何で急にやめたんだ?」と疑問に思われた方も多かったでしょうが、実はこのような裏事情があったんですね。
まとめくすTwitterも例に漏れずこの制限の対象となり、現在では使用不能となっています。
URL:https://www.mlab.im.dendai.ac.jp/~yamada/ir/WebService/Twitter/
◇まとめくすTwitter終了を告知していないのは良くないと思いまーす
ですが、まとめくすの公式サイトでは2023年6月現在でもまとめくすTwitterへの誘導バナーが大きく掲載されています。
また、まとめくすはそれこそTwitterアカウントも保有していますし、運営元のエムティーエム株式会社の企業サイトも存在します。
にもかかわらず、まとめくすTwitterが使用不能であることについての告知が全くなされておらず、Twitterの返信で寄せられた「使えない」という問い合わせにも答えていません。
まとめくすTwitter終了は運営元の不手際ではないものの、使用不能になっていることについては何らかの告知があっても良いのではないか?と疑問を持ってしまいますね。
URL:https://twitter.com/2mtmex
◇まとめくすTwitterは無償提供なので対応が遅れている?
まとめくすTwitterの対応が遅れている問題については、まとめくすTwitter自体があまり利益を生んでいないこと、そもそも利用者が多くないという事情があるものと推察されます。
そもそもまとめくすの勢いは、5chという元ネタの有益さに裏打ちされているものです。
TwitterはTwitter内でバズが完結する、そもそもネット上のバズの震源地がTwitterであることが多いという事情から、Twitterの内容をわざわざ外部サイトでまとめる必要性は薄いのです。
例外として大手メディアがつぶやきを取り上げることで話題になるということがありますが、まとめサイトという中小零細サイトの管理人は「つぶやきを紹介して有名にしてやる」立場ではなく、5ch等の大手サイトの情報をまとめることで価値を生み出す人々です。
また、TwitterのまとめについてはTogetterという大きな場が既にあるため、まとめサイトの管理人からすると新規参入は労力の割に実入りが少なく、それなら5chのまとめの方がいいとなってしまいます。
そういった状況からまとめくすTwitterは実はそこまで流行っていなく、ひっそり終了したもののあまり話題にならなかったという背景があるのでしょう。
イーロンマスクの暴君ぶりがすごい
まとめくすTwitter終了の原因であるTwitterAPIの有料化ですが、これを決定したのは泣く子も黙るTwitter執行会長兼CTO・イーロンマスクです。
◇イーロンマスクが断行しているTwitter改革(笑)の一環
Twitterの運営についてイーロンマスクの動きが目立ったのは、2022年11月ごろに行われた大量解雇が最初であろうと思われます。
アメリカの本体法人はもちろん、日本法人でも「出社したら入口のセキュリティで弾かれて解雇されたのを知った」というドラマ顔負けのコメントが投下されました。
しかし日本法人については、余計な機能の追加・一部の広告のゴリ押し・社員と思しき人物がオフィスで飲酒したり遊んでいる「外資IT企業の福利厚生の自慢」が鼻につくなど、日本のユーザーからはなかなか嫌われていたので「ざまぁ」な反応が多めでした。
実際にイーロンマスクによる突然のリストラが断行された数日間で、多くの人の「おすすめ」に表示されていた特定アカウントのツイート(子育てママの主張マンガなど)が綺麗さっぱり表示されなくなったことで「アレ日本法人のせいだったのか」「余計なことしてたな」「イーロンありがとう」などの反応で埋め尽くされました。
また、アメリカでは雇用主側が横暴を働く一方で従業員側はガンガン裁判で訴えるという文化ですので、大きく報道はされていないもののイーロンマスクも多くの訴訟を抱えているものと推察されます。
日本はそこまでの裁判文化がない上に、別国にある本社を訴えるというのはなかなかハードルが高い作業です。
しかし、「それは外資に就職する時の一般的なリスク」「余計な仕事ばかりで遊んでたんだから因果応報」など世の中の反応は冷たく、それを受けてか大規模な労使問題にもかかわらずマスコミの扱いも小さいまま話題は収束していきました。
URL:https://www.mag2.com/p/money/1249770
◇Twitter連携の為のAPIを有料化
Twitterは2023年3月30日に、Twitter連携の為のシステムであるAPIを有料化しました。
・Free 無料
・Basic 月額100ドル
・Pro 月額5000ドル
・Enterprise 価格非公開
の4段階となり、プランごとの差は読み込み可能なつぶやきの数(ツイート数)や、同時使用できるツールの数量などによります。
企業がサービスとして提供するにあたっては最低でもProの加入は必須と言われ、日本円にして月々70万円ほどのコストとなってきます。
儲けているサービスであれば70万円くらい必要経費とも考えられますが、Twitter連携は今まで無料だったからこそ多くのネットサービスが利用し、Twitter本体へのアクセスに貢献してきた経緯があったはずです。
それをここに来て急に「金を寄越せ」という態度には賛同できないし、そもそもTwitter連携が大して利益を上げるわけでもないしと、このタイミングで多くのサービスがTwitter連携を終了しています。
例外的にTogetterはTwitter連携が生命線のネットサービスであることや、以前からTwitterとビジネス的な繋がりがあったこともあり、2023年6月現在では以前と変わらないサービスを提供し続けています。
そんなTogetterですら平常化まで数か月の月日と数度のメンテナンスを必要とした辺り、イーロンマスクの施策は従業員も取引先もガン無視の俺様・殿様商売であったことは明らかです。
URL:https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2305/26/news142.html
◇Twitter連携が終了したのはまとめくすだけじゃない
以上の通り、Twitter連携が終了したネットサービスはまとめくす以外にも多岐に渡ります。
・Pixiv(新規投稿をTwitterに転載する連携機能を完全終了)
・SocialDog(無料プランの機能を大幅制限)
・「原神」等のゲーム(「Twitterアカウントでログイン」が使えなくなる=アカウントBan状態になる危険性が話題に)
といった影響が見られます。
また、海外の大学などの研究機関からは「ネット上の公共インフラとも言えるTwitterを研究する機会が失われた」と批判の声が挙がっています。
◇むしろTwitter連携を続けているサービスの方が少数派
Twitter APIの有料化により、Twitterとの繋がりをやめてしまったサービスの方が多数派となっています。
Twitter連携を続けているサービスはTogetterやSocialDogといった、元々Twitterへの依存度が大きいネットサービスに限られています。
◇イーロンマスクの意図は?むしろ世界のTwitter離れが加速
Twitterが巨大なソーシャルメディアであることは誰もが認めるところですが、無料の道路に料金所を設置するようなあこぎな商売をしていては人が離れてしまいます。
元々ネットは無償で助け合う場から始まっており、ネットの初期から存在していた5chにはその時代の助け合い文化が未だに根付いています。
さすがに全てをボランティアにすることは無理がありますが、広告で収益を得る・課金者には付加価値という形でサービスを上乗せするなど、無料サービスを維持しつつ収益を上げる方法は先人たちが知恵を絞って編み出していったものです。
日本国内ではmixi、海外でもマイスペース・クラブハウスといった一世を風靡したSNSが衰退してしまった例は枚挙にいとまがありません。
Twitter、イーロンマスクもあまり調子に乗っていると「次はお前だ」となるでしょう。
今一度インターネットとはなんたるかという哲学に立ち戻るためにも、ぜひ5chという素晴らしい老舗ネットサービスから学んでもらいたいものです。
URL:https://news.yahoo.co.jp/articles/44f1da32b3e453fbf53433723a03dc4e959ce954
まとめ
まとめくすTwitter終了についてまとめました。
その元凶はイーロンマスクという一人の経営者の独断に収束していきますが、権力が一極集中してしまうインターネット時代の危うさを浮き彫りにした一件です。
5chや5chまとめサイトへの影響が軽微であることだけが不幸中の幸いと言えるでしょう。